プリズム

数理的アプローチ


ボルダルールの勝者(敗者)を投票行列から求める

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n人の投票者、N={1,,n}、の各々がp人の候補者、A={1,,p}に一番好きなものから一番嫌いなものまで順位(選好)を付けている時、投票者の意見をまとめて、どの候補者を望ましい候補者(勝者)、または、どの候補者を望ましくない候補者(敗者)、として選ぶか?

に対して、点数式投票ルールの1つとして、ボルダルールが知られている。各投票者は一番好きな候補者にp1点、その次に好きな候補者にp2点、・・・、一番嫌いな候補者に0点、という点数を与える。各候補者はすべての投票者から与えられた点数を合計する。最大の合計点数を得た候補者がボルダルールの勝者、最小の合計点数を得た候補者がボルダルールの敗者である。すなわち、次のBordaScoreを最大にする候補者xAが勝者、最小にする候補者xAが敗者である。

BordaScore(u;x)=kArankk(u;x)sk

ただし、sk=pkrankk(u;x)xAを第k番目に好む投票者の人数を意味する。また、u=(u1,,un)は投票者の選好を表し、uj(x)>uj(y)は投票者jNyAよりxAを好んでいることを意味する。

結論を先に述べる。

BordaScoreは投票行列v=(vxy(u))の行和である

BordaScore(u;x)=y:yA,yxvxy(u)

ただし、vxy(u)=|{jN|uj(x)>uj(y)}||S|は集合Sの要素の個数、すなわち、vxy(u)yよりxを好む投票者の人数である。

この結論は以下に述べる「補題3」から得られる。まず、新たに次の記号を導入する。

rankk(j,u;x)={1jxk0otherwiseIj(x,y)={1uj(x)>uj(y)0otherwise

補題1

rankk(u;x)=jNrankk(j,u;x)vxy(u)=jNIj(x,y)

証明

rankk(u;x)xAを第k番目に好む投票者の人数であり、各投票者jNxを第k番目に好むかを問い、答えが「はい」のプレイヤーだけを数えればよい。同様に、vxy(u)yAよりxAを好んでいる投票者の人数であり、各投票者jNyよりxを好むかを問い、答えが「はい」のプレイヤーだけを数えればよい。(証明終わり)

補題2

y:yA,yxIj(x,y)=kArankk(j,u;x)(pk)

証明

左辺は投票者jxよりも好まない候補者の人数である。投票者jxを第k番目に好んでいれば、xよりも好まない候補者の人数はpkとなる。(証明終わり)

補題3

y:yA,yxvxy(u)=kArankk(u;x)(pk)

証明

補題1と2より

y:yA,yxvxy(u)=y:yA,yx(jNIj(x,y))=jN(y:yA,yxIj(x,y))=jN(kArankk(j,u;x)(pk))=kA(jNrankk(j,u;x))(pk)=kArankk(u;x)(pk)

(証明終わり)